障害者グループホーム(GH)運営大手「恵」(本社・東京)が食材費の過大徴収などの組織的不正を認定され、全国にあるGHを運営できなくなることが決まった問題で、愛知県と名古屋市は23日、近く運営期限を迎えるGHの事業譲渡を急ぐよう行政指導をしたと発表した。指導は22日付。

 恵は愛知県に対し、12都県で運営する約100施設を一括して年内にも事業譲渡する意向を伝えている。ところが、愛知県内の一部のGHは最短で8月末に事業者指定を取り消される。それまでに譲渡先が決まらなければ入居者が行き場を失うため、県などがそうした事態を防ぐよう迫った形だ。

 運営期限が迫る県内のGHは、8月末までの「ふわふわ」(名古屋市緑区)、9月末までの「ふわふわ幸田」(同県幸田町)と「ふわふわ西尾」(同県西尾市)の3施設。県などは、期限までに事業譲渡を行うこと▽利用者の希望を正しく把握し、適切に対応すること▽転居希望者がいる場合は他の事業者と調整を図ることなどについて、25日までに具体的に回答するよう求めた。

 県と名古屋市は6月、食材費の過大徴収や障害者福祉サービス等報酬の不正請求があったとして、恵が運営する県内五つのGHの事業者指定を取り消した。厚生労働省は組織的な不正だとして「連座制」を適用。取り消し処分を免れた残りのGHも6年ごとの指定更新が認められず、順次、運営できなくなる。(野口駿)

愛知県内で年内に運営期限を迎える恵の障害者グループホーム

 ふわふわ  (名古屋市緑区) 8月31日 指定取り消し

 ふわふわ西尾(西尾市)    9月30日 「連座制」適用

 ふわふわ幸田(幸田町)    10月1日 指定取り消し

 ふわふわ守山(名古屋市守山区)12月1日 指定取り消し

 ふわふわ天白(同市天白区)  12月1日 指定取り消し

 ふわふわ北 (同市北区)   12月1日 指定取り消し

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