世界最高峰のモーターレース「F1」の大阪誘致計画をめぐり、大阪観光局は23日、誘致に向けた有識者会議を8月にも発足させると発表した。

 メンバーはレーサー経験がある歌手の近藤真彦さんのほか、観光・まちづくりの有識者ら計10人。少なくとも2~3年にわたり、市民らの理解促進や機運を高める方法などについて議論する。

 会議では、サーキット場を新設するか、既存の公道を使うかなどの誘致計画は話し合わない。大阪観光局や企業でつくる別のチームが誘致計画の概要をつくって来年に公表し、2029年以降の誘致をめざす考えだ。

 溝畑宏理事長は23日の会見で、「誘致の背景にあるのは、F1に伴う都市のブランド力向上や、ラグジュアリー(富裕層誘致)対策だ」と説明。「(会議では)自由闊達(かったつ)に意見を述べていただき、今後のF1誘致に戦略として組み込んでいきたい」と話した。

 大阪では19年、当時の吉村洋文・大阪市長(現知事)がF1誘致をめざしたが、後任の松井一郎・前市長が経費負担の大きさなどを考慮して22年に断念した。

 溝畑氏は今年1月、改めて誘致に乗り出す考えを表明。開催費用は民間で負担し、赤字の穴埋めなどに公費は使わないとしている。(箱谷真司)

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