乗客ら107人が亡くなった2005年のJR尼崎脱線事故の事故車両保存施設について、一般向けには非公開とする方針をJR西日本が遺族らに伝えたことが23日、関係者への取材で分かった。25年12月ごろに完成予定で、一般公開を巡り遺族の賛否が割れており、検討を続けていた。追悼施設として遺族や被害者らに対応するとともに、社員が事故を学ぶ施設と位置付ける。

 保存施設は大阪府吹田市のJR西社員研修センター敷地内に建設中。JR西は遺族らへの説明文書で、遺族や被害者については要望に応じ施設を案内するとした上で「社外の方々には原則として非公開とする」と明記した。

 一般公開しない方針に関し、妻を亡くした兵庫県三田市の平野耕一さん(60)は取材に「JR西社員の心に響くものであればいい。見せ物にしてもらいたくないという遺族の気持ちは痛いほど分かる」と理解を示した。

 施設は7両編成だった事故車両のうち、復元が困難な1~4両目は部品ごとに整理して棚に保存する。原形をとどめる5~7両目は連結された元の状態のまま配置する。

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