浅間山は火山性地震が増えるなどしたため去年3月、噴火警戒レベルが「火口周辺規制」を示す「2」に引き上げられ、周辺の自治体は火口からおおむね2キロの範囲で登山道を立ち入り禁止にするなどの規制を行っています。

しかし、およそ440万人が利用する登山者用の地図アプリ「YAMAP」の運営会社によりますと、噴火警戒レベルが引き上げられた去年3月以降、登山者が立ち入り規制のエリアに入り、写真などの不適切な投稿を行うケースが相次いでいるということです。

7月中旬までに確認されたのは191件に上っています。

自治体が立ち入りを規制した場所からの投稿は、群馬県の草津白根山でも確認されていて、運営会社は、規制されたエリアに立ち入らないよう呼びかけています。

運営会社の広報PRマネージャー上間秀美さんは「リスクがあるからこそ立ち入り禁止になっているので、そこでの登山はやめてほしい」と話しています。

専門家「もう一度思い返して」

浅間山は過去も噴火活動が活発で、2019年8月には噴火警戒レベル1の状態で小規模な噴火が発生し、噴煙が火口から1800メートル以上の高さに達しているのが確認されました。

ことし4月中旬以降も火山性地震の多い状態が続いていて7月18日には、ことし最も多い一日に116回を観測し、気象庁は当面、噴火警戒レベル「2」を継続するとしています。

火山防災に詳しい山梨県富士山科学研究所の所長で東京大学の藤井敏嗣名誉教授は「噴火警戒レベルが『2』であるということは、必ず噴火するわけではないが、噴火してもおかしくないほど活動が高まっていることは確かで、そのことを登山者には理解してもらいたい」と話しています。

また、登山者用のアプリに不適切な写真などが相次いで投稿されていることについては「アプリを見た人がそれを見て山に行こうとするので危険だと感じていた」と述べたうえで、「10年前の御嶽山の噴火と同じことが浅間山でも草津白根山でも十分起こり得ると思う。火山が噴火した場合、特に火口のそばにいることは非常におそろしいことなので、そのことを、もう一度思い返してほしい」と指摘しています。

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