法定速度が時速30キロに制限される生活道路(29日、東京都品川区)=共同

政府は23日、中央線がなく道幅の狭い「生活道路」の法定速度を時速30キロに制限する改正道路交通法施行令を閣議決定した。改正施行令は7月中に公布し、2026年9月に施行する予定。全国に約122万キロある一般道の7割が該当するとみられ、警察庁はドライバーへの周知に取り組む。

一般道の法定速度は現在60キロと定められている。現行法では車と歩行者の距離が近くなる生活道路でも60キロで走行することが事実上認められているが、実態に即した法定速度に制限し、歩行者の安全を確保する狙いがある。

警察庁は対象として、中央線・中央分離帯がない1車線の公道を想定。中でも道幅5.5メートル未満の道路が該当する。中央線がある道路は引き続き60キロを法定速度とし、すでに規制標識がある道路は標識の速度を最高速度とする。

警察庁の有識者検討会は09年、時速30キロであれば歩行者の飛び出しに対処しやすいと指摘していた。

同庁が5月31日から6月29日まで実施したパブリックコメント(意見公募)では「1車線でも道幅の広い道路は最高速度規制の対象から外すべきではないか」との意見も寄せられた。道幅が広いにもかかわらず今回の規制対象となり得る道路については、各都道府県警が実態を調査し、必要に応じて30キロ以上の規制標識を設置する見込みだ。

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