広島市の平和記念公園に植えられた「被爆樹木」アオギリの葉が薄く変色し、小さくなっている。市によると、今春、広島県と市が西隣に建てた「G7広島サミット記念館」が影響した可能性があるという。

 アオギリは1945年8月6日、爆心地から1.3キロで被爆。熱線と爆風で幹半分が焼けただれたが、再び芽を吹き、73年に平和記念公園に移植された。2本が平和記念資料館の出口近くに植わっている。

 市によると、今月、市が業務委託している被爆樹木医の堀口力さん(79)からうち1本の葉に異変があると報告があった。サミット記念館の白い外壁の照り返しが影響した可能性があるという。堀口さんは「光の吸収を抑えようと、葉の葉緑素が抜けたり、小さくなったりしたと考えられる」と話す。まだ弱っていると診断するには早いというが、早期に対策する必要があるという。

 市は黒い布で壁面を覆う予定だ。

 被爆樹木のアオギリは被爆者の故・沼田鈴子さん(2011年没)が生きる勇気をもらった木として知られ、沼田さんはアオギリの前で長年被爆証言を続けた。(興野優平)

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