22日午前6時15分ごろ、熊本県益城町上陳付近の住民から「中型犬が6頭徘徊(はいかい)している」と110番通報があった。熊本県警御船署は近くにある繁殖業者の犬とみて熊本県とともに捜索。夕方までに、施設外で6頭、施設内で16頭を捕獲・保護した。けが人は出ていない。

 御船署によると、110番で現場に駆けつけた小型パトカーが、リードにつながれていない4頭と繁殖業者の男を発見。警察官が「放し飼いはやめて下さい」と声をかけると、男はパトカーの前部を素手でたたいてへこませたという。このため、この石井賢一郎容疑者(55)を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。

 その後、御船署と熊本県御船保健所が逃げた犬を捜索し、成犬2頭と子犬4頭を捕獲した。

 繁殖施設では石井容疑者以外に犬の世話をする人はおらず、保健所は全頭を保護する必要があると判断。逃げた犬も含めて22頭を県動物愛護センターに移送した。

 犬種は、もともと闘犬に使われていたアメリカン・ピット・ブル・テリアやその雑種が多く、熱中症気味の状態だったという。繁殖施設では、柵の一部が壊れており、犬が自力で逃げ出した可能性もある。総数もはっきりしておらず、署と保健所は捜索を続けている。

 県は、犬を見かけたらむやみに近寄らず、御船保健所(096・282・0016)か県動物愛護センター(0964・27・8778)へ連絡するように呼びかけている。(森北喜久馬、杉浦奈実)

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