通常国会で成立した改正入管難民法に盛り込まれた外国人の永住資格の取り消し要件を拡大する措置について、当事者の外国人団体などは22日、東京・永田町の衆院第2議員会館で記者会見し、政府に関連条項の廃止や見直しを求めた。

◆「差別につながる懸念」国連が書簡

永住者に対する新たな在留資格取り消し制度について記者会見をする権清志(中央)さんら=22日、東京・永田町で

 改正入管難民法は永住者が税金を滞納するなどさまざまな場合、永住資格を取り消すことができるとしている。国連の人種差別撤廃委員会は6月、政府への書簡で、外国籍の人に対する差別につながる懸念を表明し、見直す予定があるかなどを報告するよう求めた。  在日本大韓民国民団(民団)中央本部副議長の権清志(ゴンチョンジ)さんは「Kポップが日本で人気で、日韓の政府が協調姿勢を示しても、永住資格取り消し措置でやはり日本人はわれわれ(外国籍の人)にはいてほしくないのかと思う」と懸念を強調。

◆人間としてリスペクトとされているか

 在日中国人の団体である横浜華僑総会の曽徳深顧問も「外国人が日本で働き、暮らしたいと思うかは給料の高低もあるが、一番は人間としてリスペクト(尊重)されているかどうか。永住資格取り消し措置は全く逆のことをしており、選ばれない国になれば日本にとっても不利益になる」と批判した。(池尾伸一) 

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