「過去に例のない広域的な危険な暑さ」が予測される際に、環境省と気象庁は24日から「熱中症特別警戒アラート」を発表する。年々暑さが増し、「地球沸騰」とも呼ばれる中、熱中症の危険性を広く、分かりやすく伝えようとする取り組みだ。

 特別警戒アラートは、気温や湿度、日差しなどから算出した「暑さ指数」が都道府県内の全観測地点で35以上と予測される際、前日の午後2時ごろに発表される。観測地点ごとに、暑さ指数が33以上になった場合に発表する従来の「熱中症警戒アラート」よりも一段強い呼びかけで、屋外でのスポーツイベントや体育の授業の自粛、在宅勤務の推奨、水分や塩分のこまめな摂取の徹底を自治体やホームページを通して住民に伝える。

 カナダのブリティッシュコロンビア州では2021年6月に暑さ指数が36.5となり、一日で234人が亡くなる惨事があった。埼玉県では20年8月11日に気温が40度を超え、県内8地点の指数の平均が国内最高の34を記録した。

 国内の年平均気温は100年前と比べて、1.35度上昇。従来のアラートの発表も、21年は613回、22年は889回、23年は1232回と年々増え、22年までの過去5年の熱中症による死者は年平均で約1300人にのぼる。今年も4月15日に新潟県三条市や秋田県横手市、山形県鶴岡市など全国の11地点で30度以上の「真夏日」を早くも観測。森隆志・気象庁長官は「今夏にかけ、顕著な高温となる日が多いと想定される。本格的な夏を迎える前でも、多くの人が暑さに慣れていない状況で気温が上昇することもある。日々の気温やアラートを参考にしながら、暑さ対策を実施してもらいたい」と話す。(力丸祥子)

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