自民党の堀井学衆院議員(52)=比例北海道ブロック=が選挙区内の有権者に秘書を通じて香典を配った疑いがあるとして、東京地検特捜部は18日午前、堀井氏の国会議員会館の事務所(東京・永田町)などに公職選挙法違反容疑で家宅捜索に入った。堀井氏の立件に向け調べを進める方針。

 公選法は政治家個人が選挙区内で現金や物品を寄付することを原則禁止している。香典は本人が葬儀に参列して直接渡す場合は例外的に認められているが、秘書による持参は違法とされる。違反した場合は50万円以下の罰金が科せられる。

 関係者によると、堀井氏は選挙区内の支援者やその家族が亡くなった際、香典として1万~数万円を秘書を通じて渡した疑いがある。総額は数十万円に上るとみられる。

 特捜部は午前10時50分ごろ、係官10人ほどが堀井氏の国会事務所に入った。ほかに、東京都内の議員宿舎や北海道登別市にある堀井氏の地元事務所も捜索した。

 堀井氏はリレハンメル冬季五輪スピードスケートの銅メダリスト。2012年の衆院選で北海道9区で初当選し、21年の衆院選では比例復活で当選、現在4期目。

 自民党派閥の裏金事件では、所属していた安倍派から5年間で計2196万円の還流を受け、政治資金収支報告書に収入として記載していなかったとして党の役職停止処分(1年間)を受けた。大学教授が政治資金規正法違反の疑いで東京地検に告発している。

 堀井氏は今年6月、「政治資金問題で度重なる不祥事を起こしたけじめをつける」として次の衆院選に立候補しない考えを表明したが、議員辞職や離党は否定している。

 有権者に対する香典提供をめぐっては、菅原一秀・元経済産業相が21年6月、選挙区内の33団体と26人に計71回で総額約80万円の香典・枕花と祝儀・祝花を違法に寄付したとして罰金40万円、公民権停止3年の略式命令を受けた。

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