リニア中央新幹線の掘削工事が進む岐阜県瑞浪市内で井戸などの水位低下が確認された問題で、JR東海の担当者が、県と市の担当者とこの問題を公表する前に面談した際、「詳しい原因調査は考えていない」と説明していたことがわかった。この問題を巡っては情報共有の遅れなど同社の姿勢に地元が反発。同社は工事を中断し、ボーリング調査を行うなどの対応をしている。

 県によると、5月14日に県庁でJR東海と県、市の担当者が面談した際、JR東海側から「多大な費用と時間を要するため詳しい原因調査は考えていない」との説明があったという。

 JR東海の丹羽俊介社長は17日の会見で、県側から工事と水位低下との因果関係について質問があり「(水位低下は)工事が原因であると考えており、工事が原因であるかを調べるための調査を手間をかけて行うまでもない、という趣旨で説明した」と述べた。

 一方で、県環境管理課の担当者は「今のところ原因調査は考えていません、という内容として受け止めた。こちらが思っているよりもだいぶ後ろ向きな考えだという印象を受けた」としている。

 丹羽社長はまた、水位低下の報告を社内から受けたのは報道などで明るみに出た当日であったことを明らかにし、「もう少し早い段階で私に情報が来るべきだった。社内の情報共有のあり方について徹底したい」と話した。(山田知英、保坂知晃)

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