旧優生保護法(1948~96年)を違憲とした今月3日の最高裁判決をめぐり、勝訴した原告の小島喜久夫さん(83)=札幌市=らが17日、岸田文雄首相と首相官邸で面会した。小島さんは「無理やり受けた不妊手術を一生忘れない」と話し、国の過ちをきちんと認めるよう求めた。

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 札幌地裁で同種訴訟を争っている北海道内の男性(84)も、札幌市内からオンラインで面会の様子を視聴。岸田首相が頭を下げて謝罪するのを画面越しに見て、机の下で小さく拍手をした。

 男性の訴訟では事実関係に争いはなく、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用が争点となっている。岸田首相はこの日、除斥期間の適用を求めてきた従来の主張を撤回し、和解による解決を進める方針を示した。

 北海道弁護団の秀嶋ゆかり弁護士は「男性には、謝罪を受けても時間は取り戻せないという思いもあるようだ」と話した。(上保晃平)

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