同性愛者であるため家族に殺されかけたとして、北アフリカ出身の30代男性が日本での難民認定を求めた訴訟で、国は17日、不認定処分を取り消した一審・大阪地裁判決を不服として、控訴した。

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 地裁判決は、男性の国が同性愛を禁じるイスラム教国で、刑法も同性間の性行為を処罰対象としていると指摘。同性愛というだけで逮捕されたり暴力を受けたりしうると認定した。その上で、男性の被害証言も具体的で信用できるとして「迫害を受ける現実的な恐れ」を認め、難民に当たると判断した。

 判決によると、男性は2019年末に交際相手と来日して難民申請したが、大阪出入国在留管理局は21年2月に不認定とした。

 男性の代理人を務める松本亜土弁護士は「国の控訴には悪意しか感じられない」とコメントした。一方、出入国在留管理庁は「判決に不服があるため上級審の判断を仰ぐこととした」との談話を出した。(大滝哲彰)

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