中古車販売大手の旧ビッグモーター(BM、現BALM)に車を売却後、不当な理由で返金を求められ、提訴されたなどとして、大阪府八尾市の不動産会社長の男性らが慰謝料など約158万円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解が成立した。旧BM側が70万円の解決金を支払う。4日付。

 訴状によると、男性は2021年3月、BMにメルセデス・ベンツ社の車1台を570万円で売却。だが同年10月、BMの担当者から「過去に水没したことがある車と判明した」との理由で返金するよう求められた。身に覚えがないと拒否すると、22年2月、損害賠償を求める訴訟を起こされた。

 半年後にBM側が訴訟を取り下げたが、男性は「言いがかりをつけられ、不当な提訴で精神的苦痛を受けた」と提訴。BM側は「エンジンがかからない原因を調べたところ、電気系統への浸水と考えて返金を求めた」として、請求を棄却するよう求めていた。

 同社は23年、自動車保険の不正請求を認め、社長が辞任。伊藤忠商事などが経営危機に陥った同社を買収し、主要事業を承継する新会社「WECARS(ウィーカーズ)」を設立し、旧会社は不祥事への対応などにあたる会社として「BALM」と改称した。(山本逸生)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。