「叡王戦」五番勝負の第2局は、石川県加賀市のホテルで20日午前9時に伊藤七段の先手で始まりました。
対局は、後手の藤井八冠が公式戦では初めて使う作戦で序盤に工夫を見せたのに対し、伊藤七段も冷静に応じて互いに譲らない展開が続きます。
その後、伊藤七段が相手の飛車を奪って形勢を有利にすると、藤井八冠も粘りを見せますがそのまま追い詰められ、午後6時20分に87手までで投了しました。
この結果、対戦成績は1勝1敗のタイとなりました。
伊藤七段がタイトル獲得を目指して藤井八冠に挑戦するのは3回目で、今回が初めての白星となります。
一方、藤井八冠は、去年9月の「王座戦」第2局以降、タイトル戦の対局で連勝を続け、歴代1位の大山康晴 十五世名人の記録の「17連勝」まであと1勝としていましたが、連勝は「16」でストップしました。
「叡王戦」五番勝負はことし6月にかけて日程が組まれ、次の第3局は5月2日に名古屋市で行われます。
伊藤七段「まだ番勝負は続く 引き続き頑張りたい」
勝利した伊藤七段は「早い段階で前例の少ない将棋になり、一手一手、手探りで指していました。終盤に歩を打ったあたりはいけそうかなと思っていましたが、最後もはっきりとした手順は見えていないままでした。藤井八冠に勝てていなかったので、ひとつ結果が出たことはよかったですが、まだ番勝負は続くので引き続き頑張りたい」と話していました。
藤井八冠「もう少し勝負手を掘り下げるべきだった」
一方、敗れた藤井八冠は「序盤の作戦はやってみたらどうなのかなと思っていました。苦しいと思っていましたが、もう少し勝負手を掘り下げるべきだったかもしれません。連勝の記録についてはしかたないと思っています。今後も『名人戦』を含めて対局が続くことになるので、まずはいいコンディションで臨めるようにしていきたい」と話していました。
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