東京労災病院(東京・大田)の医療機器選定を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された整形外科副部長の医師、浅沼雄太容疑者(41)が、同科の他の医師が贈賄側医療機器メーカーの製品を使用した際にも、現金に還元できる独自のポイントを同社側から得ていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、2021年4月に副部長になった浅沼容疑者は、他の医師に贈賄側の「HOYA Technosurgical」(東京・新宿)の製品を使うよう勧めていた。警視庁捜査2課は、副部長の立場を利用し利益を得ようとした疑いがあるとみている。
ポイントは、骨折治療などに用いる同社製のインプラントを手術で1つ使うごとに、同社元営業部長、小野田大容疑者(46)=贈賄容疑で逮捕=らが浅沼容疑者に付与する仕組み。1ポイント1万円とし、飲食代などの領収書を同社社員、加藤高彰容疑者(39)=同=が買い取る形で、浅沼容疑者が現金を得ていたとされる。
加藤容疑者が整形外科の担当になった18年4月以降、同社製品の使用率が急増した。捜査2課は逮捕容疑以外にもポイントの仕組みによる賄賂の収受があった可能性があるとみて捜査している。
浅沼容疑者の逮捕容疑は22年1〜4月ごろ、同社製品を多く使うなどした見返りに、計約50万円を受け取った疑い。〔共同〕
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