警視庁は16日、東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一帯で、3連休中の13~14日に14~17歳の男女計21人を一斉補導したと発表した。一帯では薬の多量摂取(オーバードーズ、OD)などが確認されており、警視庁は悪意のある大人が子どもを犯罪に巻き込む恐れがあるとして警戒を強めている。

OD、大久保公園で客待ちも

 少年育成課は夏休みを前に、13日午後~14日早朝に一斉補導を実施。補導した21人の行為別では「深夜徘徊(はいかい)」(9人)と「喫煙」(8人)が大半だった。OD目的で睡眠薬20錠を持っていた女子高校生(15)は「薬物乱用」、大久保公園で売春目的の客待ちをし、男性客とホテルへ入ろうとした女子高校生(16)は「風俗営業所立ち入り」で補導した。

 今年5月末までに歌舞伎町で補導した306件のうち、OD関連の「薬物乱用」は18件で、前年同期から3倍以上に増加。6月末までに補導した子どものうち、保護者が監督できないと判断して児童相談所へ通告した事例は30件(暫定)あり、前年同期と比べ2倍以上に増えた。

 今月12日には、歌舞伎町のビルの屋上で乾燥大麻を所持した疑いで新宿署が職業不詳の男(44)を逮捕した。署は、男が「たばこだから」などと言い、トー横に出入りしている中学生の少女に大麻を吸わせたとみている。ビルの屋上は、トー横周辺の補導から逃れたい未成年が集まる場所になっていたという。(御船紗子、島崎周)

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