トランプ前米大統領が銃撃され、出血する映像が繰り返し流されている。惨事報道に詳しい筑波大学の高橋晶准教授(災害精神医学)は、「映像に触れ続けると、人によっては強い不安が引き起こされる可能性がある」と指摘。まず映像に触れる回数を減らすことが重要だという。

 今回は、銃声や悲鳴といった耳からの情報も刺激が強い。高橋さんは実際に画面を見ていない「ながら見」であっても、体が緊張することがあるとして、「深呼吸をしたり散歩をしたり、リラックスすることが重要だ」と話す。

 高橋さんによると、人間の脳は他人に共感して危機を察知するという。トランプ氏がよく知られた政治家であることで、「『他人だけど知り合い』と受け止める人は多い。共感力が強く引き起こされ、自分のことのようにつらく感じる可能性がある」と高橋さん。

 加害者がいる銃撃事件であることも心身のストレスを高めうるといい、「安全なはずの世界が壊れるかもしれないという恐怖感がある」と指摘する。(横山輝)

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