国が開発に取り組み、九州新幹線長崎ルートでの導入が頓挫したフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を巡り、開発を担ってきた鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)の最後の関連施設である「走行試験設備」(熊本県八代市)の撤去が10月にも始まることが14日、同機構への取材で分かった。約500億円の公金を投じた研究事業は未完のまま、事実上幕を閉じることになる。
同機構によると、10月中にも始めるのは、車輪の幅を変える装置などを含む約1.4キロメートルの設備の撤去工事。2025年度中に完了する予定。跡地には九州新幹線のレール交換に関する施設を建てる。
FGTは、車輪の幅を変えることでレール幅が異なる在来線と新幹線の両方を走行できる車両。
政府、与党が04年、長崎ルートへの導入を申し合わせ、新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉(同県武雄市)間で在来線を走る予定だった。しかし車両製造コストの縮減などがうまくいかず、挫折していた。
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