伊藤公象さん(いとう・こうしょう=陶造形作家、金沢美術工芸大名誉客員教授)6日、老衰のため死去、92歳。金沢市出身。既に家族葬を済ませた。喪主は長男遠平(えんぺい)さん。後日、追悼展を開く。  金沢の彫金師の家に生まれ、10代で九谷焼の窯元に弟子入りしたが、1972年に茨城県笠間市に工房を構え、土にできるだけ人為を加えない造形美を追求。薄くスライスしたり、即興的に丸めたりした粘土や磁土を有機的な形のまま焼き、できた無数の陶片を並べるインスタレーション(空間芸術)が、現代美術の分野で評価を受けた。  78年のインド・トリエンナーレ国際美術展でゴールドメダル。84年のベネチア・ビエンナーレ国際美術展でも陶パーツを床に敷き詰める展示で国際的な注目を集めた。東京都現代美術館、茨城県陶芸美術館、英国セントアイブズ美術館などで個展。女子美術大教授、金沢美術大大学院専任教授も歴任した。


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