気象庁は、九州北部・山口地方で11日夕方にかけて警報級の大雨となる可能性があり、その後も14日ごろにかけて大雨となる恐れがあると10日発表し、警戒を呼びかけている。

 大陸から北日本にのびる梅雨前線が11日夜にかけて九州南部付近まで南下する見込み。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となっている。

 大雨は11日明け方までがピークで、1時間最大雨量は多いところで熊本県で60ミリ、山口、福岡、佐賀、長崎、大分の各県で50ミリと予想。11日正午までの24時間雨量は、九州北部の各県で150ミリ、山口県で120ミリと予想している。

 記者会見した福岡管区気象台の担当者は「夜間の大雨となるため、避難に備えた早めの準備をしてほしい」と呼びかけた。気象情報や自治体の避難情報をこまめに確認してほしいという。

 大雨は11日夜にはいったん弱まるが、その後も14日ごろにかけて再び大雨になる可能性がある。土壌に水がたまり、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水の危険が増すとして警戒を求めた。

 日本気象協会は、気象庁などの最新情報を入手し、各自治体がレベル4の「避難指示」を出すまでの間に避難するよう促している。高齢者や子どもは、より早めの避難を呼びかけている。見通しが悪くなる夜間の避難は危険度が高い。

 避難時の服装は長袖や長ズボン、ふだん履いているスニーカーを選ぶ。長靴を選びがちだが、靴の中に水が入って歩きにくくなることから避ける。帽子やヘルメットは頭部を守るうえで有効だ。

 持ち出す荷物はあらかじめリュックに入れて準備する。リュックであれば、避難時に両手を使える。中身は懐中電灯や携帯電話用の充電器、ラジオ、非常食や水、貴重品などを用意しておきたい。

 避難所に行けない場合も考えられる。仮に道路が冠水すると、歩行できる水位の目安は「ひざ下まで」。浸水している場合は無理に避難所へは向かわず、鉄筋コンクリート製の建物など近くの頑丈な建物に身を寄せ、上の階に逃げる。自宅から出られない場合でも上階などへの「垂直避難」をし、山や崖から離れた部屋に移ることが必要だ。(飯島健太、伊藤隆太郎)

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