他人のインターネットバンキングの口座に不正にアクセスしたとして、警察庁サイバー特別捜査部と警視庁サイバー犯罪対策課などは9日、不正アクセス禁止法違反の疑いで、無職矢野洋平容疑者(44)を逮捕した。不正送金事件グループの主犯の指示役とみられ、グループによる不正送金の被害は少なくとも16都道府県で20件、総額1億2000万円に上るという。

◆「闇バイト」などで10人以上の犯行グループ

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 サイバー特捜部の前身組織が2年前に発足して以降、国内での容疑者摘発は初。ネットバンキングの不正送金事件は指示役までたどるのが難しく、主犯格の摘発は珍しいという。  逮捕容疑では、栃木県下野市の会社員の男(24)=同法違反などの罪で公判中=に指示し、昨年1月29日、神奈川県の60代男性名義のネットバンキングのIDとパスワードを使って大手銀行の男性の口座にアクセスし、残高を確認させたなどとされる。認否は明らかにしていない。  警察庁によると、グループは闇バイト募集の交流サイト(SNS)を通じて知り合うなどした10人以上で組織し、口座残高の確認役や不正送金の実行役といった役割を分担。本件の被害男性の口座を含めた他人名義の口座から、暗号資産の口座に不正送金していた。  実行役の容疑者の電子機器を解析した際、指示役の矢野容疑者とのやりとりが見つかり、関与が判明した。同庁などは、電子計算機使用詐欺容疑での立件も視野に捜査している。 

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