自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪に問われた安倍派事務局長で会計責任者の松本淳一郎被告(76)の第3回公判が9日、東京地裁であった。松本被告は被告人質問で、パーティー券のノルマ超過分の還流再開を要望した幹部議員らの名前について「差し控えたい」と明かさなかった。

自民党の旧安倍派に所属していた有力議員「5人衆」の面々。左から高木毅氏、西村康稔氏、世耕弘成氏(自民党を離党)、松野博一氏、萩生田光一氏

 松本被告は前回公判で、還流を再開した経緯を弁護人から問われて「ある幹部から『一部の議員が還付してほしいと言っている』と言われた」と証言したが、名前は言わなかった。この日の公判で検察官から「ある幹部」が誰かを問われたが「ご本人がおっしゃらないので、名前は差し控えたい」と答えなかった。  還付を続けるよう求めた議員が誰かを問われても、「ご本人が『私だ』と言っていただけないので、私からは差し控えたい」と述べた。  次回公判は8月9日。検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論があり、結審する見通し。(中山岳) 

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