被爆者団体やNGOなどで作る「核兵器廃絶日本NGO連絡会」は9日、外務省で核軍縮を担当する幹部と面会し、要請書を手渡しました。

この中では、世界で核の脅威が高まる中で日本が果たしうる役割は大きいとして、7月にスイスで開かれるNPT=核拡散防止条約の再検討会議の準備委員会で
▽核保有国に対してNPTが定める核軍縮交渉を行う義務を履行させることや
▽「核兵器の先制不使用」の政策を各国に採用するよう呼びかけること
さらに
▽核兵器禁止条約の重要性を表明することなど、5項目を要請しています。

これに対し外務省側は、NPT体制の維持・強化は国際社会の利益だとしたうえで、「唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界へ現実的なアプローチで取り組みたい」と答えていました。

連絡会によりますと、このあと行われた非公開の面談で、要請に対する明確な回答はなかったということです。

連絡会の共同代表を務める日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳 代表委員は、面会のあと開かれた記者会見で「被爆80年となる来年に向けて具体的な回答を期待していたが、はっきりとした答えは得られなかった。核をめぐる情勢が非常に厳しくなっている中、日本政府には、はっきりとした姿勢を示してもらいたい」と話していました。

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