愛知県の大村知事のリコールを求める県民の署名が偽造された事件では署名活動を行った団体の事務局長だった田中孝博被告(62)が、2020年、佐賀市内でアルバイトを使って署名を偽造したとして、地方自治法違反の罪に問われました。

これまでの裁判で、検察が懲役2年を求刑したのに対し、被告の弁護士は、「うそのリコールを成立させようとはしていない」などと無罪を主張していました。

19日の判決で、名古屋地方裁判所の大村陽一裁判長は、「被告は名簿業者から名簿を購入し、必要な数の署名を偽造するよう共犯者に依頼していた。また、犯行が露見しにくいように遠方の施設を確保した上でアルバイトを募るなど、組織性、計画性が認められ、地方自治の運営そのものを揺るがしかねない悪質な犯行だ」などと指摘しました。

そのうえで、「首謀者として犯行を主導していただけではなく、自身の政界進出への足場をつくろうなどとする動機も誠に利己的で厳しい非難に値する。結果的に解職請求に結びつかなかったことなどを踏まえても刑事責任は軽視できない」として懲役2年・執行猶予4年を言い渡しました。

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