交通事故の当事者に取り調べをしないまま虚偽の供述調書を作成するなどしたとして、虚偽有印公文書作成・同行使や公用文書毀棄(きき)の罪に問われた鹿児島県警姶良(あいら)署交通課の元巡査部長、森重仁志被告(53)=鹿児島県姶良市=の判決公判が8日、鹿児島地裁であった。小泉満理子裁判長は懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役2年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、森重被告は2019年9月~22年2月、10件の交通事故の捜査で22通の虚偽の書類を作成し、上司らに提出した。また、21年8月に起きた交通事故の捜査書類を署から持ち出して自宅に隠した。小泉裁判長は「事件処理が遅れており、虚偽の内容の捜査書類を作成して楽に処理したかったという動機は身勝手といわざるをえない」と指摘した。

 鹿児島県警をめぐっては今年、現職警官3人と前生活安全部長の計4人が逮捕されるなど不祥事が相次いでおり、警察庁が6月から特別監察を進めている。(冨田悦央)

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