安全保障に関わる機密情報「特定秘密」について、海上自衛隊に加えて陸上、航空自衛隊や「背広組」といわれる防衛省内部部局などでも、違法な取り扱いをしていた事例が相次いでいたことが政府関係者への取材でわかった。一方、内部部局の管理職によるセクハラ、パワハラも複数確認。防衛省は近く、審議官級(部長級)を含む現役幹部らを少なくとも数十人規模で懲戒処分にする方針。

  • 海自の特定秘密、ずさんな違法運用が常態化 民間に厳密さ求める裏で

 海自では、複数の艦艇で特定秘密の取り扱いで違法な運用がされていたことがわかっており、防衛省・自衛隊全体で特定秘密保護法の適切な運用が徹底されていなかったことになる。

 防衛省は4月、海自と陸自で特定秘密の違法な扱いや運用があったと発表し、組織全体に広げて調査していた。政府関係者によると、空自や、3自衛隊の運用を担当する統合幕僚監部、内部部局でも、特定秘密を違法に扱っていた事例を確認した。

 ほかにも、内部の相談窓口に寄せられた情報をもとに調べたところ、部下に対するパワハラやセクハラの事案も判明した。飲食接待を受けた例も確認されたという。

 海自では、資格がない隊員に特定秘密を扱わせるなど違法な運用が常態化していた恐れが判明し、海自トップが引責辞任の意向を示す事態となっている。(里見稔、田嶋慶彦、矢島大輔)

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