起訴されたのは大阪・高槻市に住む西高舞被告(32)と両親と兄、それに今の交際相手のあわせて5人です。

起訴状などによりますと去年12月中旬、東京・大田区の都営住宅で舞被告の元交際相手の原唯之さん(46)の首を絞めて殺害し、遺体を入れたスーツケースを多摩川の河川敷で遺棄したとして殺人などの罪に問われています。

これまでの調べで、舞被告らは原さんとの間に金銭をめぐるトラブルがあったことがわかっていますが、その後の調べで、事件のあとの12月下旬、原さんのキャッシュカードを使われ、都内のコンビニのATMから現金あわせておよそ20万円を不正に引き出した疑いがあることが捜査関係者への取材で新たにわかりました。

また、事件の前、母親が電話で原さんと連絡を取り、都営住宅に呼び出したとみられるということです。

これまでの警察の調べに対し父親が「自分が首を絞めて殺害した」と供述するなど4人はおおむね容疑を認め、母親は容疑を否認していたということです。

《事件のいきさつ》

これまでの捜査で明らかになっている、事件のいきさつです。

交際トラブルが引き金か

捜査関係者によりますと、西高舞被告は去年3月から原さんと交際していましたが、暴力や暴言、金銭の貸し借りが原因で半年後の9月ごろに別れたということです。

その後、原さんはSNSでの配信活動の中で舞被告やその家族とトラブルになっていると明かしていました。

こうした原さんの言動について舞被告らが配信でさらされたり、配信を見た視聴者からひぼう中傷されたりすることをおそれていたという供述を一部の被告がしていたということです。

その上で、被告らは配信の中止や謝罪を求めたものの事態は改善されなかったとみられています。

また、舞被告は交際中に宿泊代などの名目でおよそ100万円を支払い、これに対し、原さんが少なくとも30万円は返金したことが確認されたということです。

警察は配信や交際中の金銭の支払いがトラブルに発展し5人が殺害を計画し、役割を分担して実行した疑いがあるとみています。

5人の役割と発覚まで

一方、捜査関係者によりますと、防犯カメラの映像や一部の被告の供述などから5人の具体的な役割も明らかになってきました。

事件の直前に遺体を入れるためのスーツケースを舞被告と現在の交際相手の岩城被告が都内の量販店で購入したとみられています。

舞被告はさらにスーツケースにおもりとしてつけたダンベルをネット通販で用意した疑いがあるということです。

原さんを大田区の都営住宅の部屋に呼び出したのは母親の美保被告とみられています。

去年12月15日に電話で江戸川区に住む原さんと連絡を取って自身が住む部屋に呼び出し、舞被告とともに、睡眠薬の入った飲み物を飲ませて眠らせた疑いがあるということです。

殺害の実行役は父親の昌浩被告で、16日の未明にスーツケースに入った遺体を多摩川の河川敷で遺棄したのは父親と兄の昌吾被告、それに岩城被告の3人とみられています。

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