2019年の東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さんらをSNSの配信で中傷したとして、警視庁は4日、福岡市の男(57)と埼玉県川口市の男(55)を名誉毀損などの疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。いずれも検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

捜査関係者によると、2人は2023年11月19日、X(旧ツイッター)の音声チャット機能「スペース」で不特定多数の人が聞ける状態で配信をした。

福岡市の男は松永さんを「金目当てだ」と侮辱したほか、一般社団法人「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」代表理事の小沢樹里さん、12年京都府亀岡市の暴走事故で娘を亡くした中江美則さんを中傷した疑いがある。川口市の男は小沢さんを中傷した疑いがある。

福岡市の男は一般社団法人の代表理事を務め、交通事故の鑑定や画像解析などを担っていた。同法人のホームページによると、警察への捜査協力をしていたほか、テレビ番組にも多数出演していた。川口市の男は交通事故遺族で、過去に「あいの会」に所属していたことがあった。

今年に入って松永さんらが刑事告訴し、警視庁が捜査を進めていた。

松永さんら3人は4日、Xで「犯罪被害者は二次被害として誹謗(ひぼう)中傷を受けやすい立場にある。大切な人の命を奪われたり、体や心を傷つけられた被害者が、さらに誹謗中傷を受けるような二次的な犯罪が今後起こらないようにしていきたい」とコメントした。

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