2018年7月の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町に3日、市の防災公園「まびふれあい公園」が開園した。災害時には一時避難や救援活動の拠点となり、防災教育や地域の交流にも活用される。
岡山県に大雨特別警報が出たのは6年前の7月6日。豪雨で高梁川が増水し、真備町では支流の小田川やその支流の堤防が決壊した。周辺の約5500戸が全半壊し、町内では関連死も含め74人が犠牲になった。
公園は、小田川と支流の高馬川が合流する地点の計4.5ヘクタールに整備された。うち2.8ヘクタールは、堤防と同程度の高さとなるよう約6メートルの盛り土がされた。園中心部には災害時に急病者や要介護者の一時避難所にもなる約500平方メートルの平屋建て複合施設を設けた。
公園の設計は建築家の隈研吾氏が手がけた。3日の開園式で伊東香織市長は「被災を教訓に災害に強いまちづくりを進めてきた。その経験を全国に発信する出発点としたい」と語った。
大きな課題となっていた高梁川と小田川の合流地点の付け替え工事などは3月までにおおむね完了した。公園の完成で豪雨災害を受けたハード事業はすべて終えたことになる。(小沢邦男)
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