両陛下を乗せた政府専用機は、29日午後6時に、東京の羽田空港に到着しました。

両陛下は、並んでタラップを降り、出迎えられた秋篠宮ご夫妻や尾辻参議院議長とあいさつを交わされました。

今月22日から7日間のイギリス滞在中、両陛下は国賓として歓迎式典や馬車でのパレード、それにバッキンガム宮殿での晩さん会といった公式行事に臨み、チャールズ国王夫妻をはじめイギリス王室や現地の人たちから温かい歓迎を受けられました。

また最終日には、20代の頃に留学した思い出の地、オックスフォード大学を初めておふたりで訪ね、大学関係者らと再会を果たすとともに、心待ちにしていた市街地の散策を楽しまれました。

訪問を終えて、両陛下は文書で感想を寄せ「今回、初めて国賓として英国を訪れ、大変思い出深い訪問となりました。この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本と英国の友好親善と協力関係が一層進展することとなればうれしく思います」と述べられました。

天皇皇后両陛下 文書で感想【全文】

天皇皇后両陛下は、イギリスへの親善訪問を終えて、文書で感想を寄せられました。その全文です。

この度、英国政府から国賓として御招待を頂き、二人で同国を訪問できたことをうれしく思います。

チャールズ3世国王陛下には、御病気の御治療中にありながら、私たちをお迎えくださり、国王王妃両陛下でホース・ガーズ・パレードでの歓迎式典と馬車によるパレード、バッキンガム宮殿での午餐会と晩餐会を催していただくなど、心をこめて御準備くださり、すばらしいおもてなしを頂いたことに深く御礼を申し上げます。

また、国王王妃両陛下を始め、王室の方々と旧交を温めることができたことをうれしく思っております。

ロード・メイヤーを始めとするシティ・オブ・ロンドンの方々にギルドホールでの晩餐会を催していただいたことに加え、それぞれの訪問先で英国の方々に温かく迎えていただいたことは、うれしく、有り難いことでした。

英国政府・国民の皆さんの御厚意に対し、心から感謝いたします。

今回の訪問を通じ、我が国と英国の人々の間で長年にわたって培われてきた友好親善の歩みについて理解を深めることができました。

日本と英国の交流に様々な形で携ってきた幅広い年代の方々に直接お会いしてお話しする中で、両国の友好親善関係が人々の交流を通じて深まってきたことや、英国の人々が日本に対して温かい気持ちを寄せていただいていることを実感し、うれしく思いました。

フランシス・クリック研究所、王立音楽大学、V&A子ども博物館、オックスフォード大学などにおいて、日英両国の若い人々や子どもたちと交流することもできました。

若い世代の人々が、今後もお互いの国に対する関心を深め、両国の相互理解と友好親善に大きな役割を果たしていくことを期待しています。

今回、オックスフォードを初めて二人で訪れることができたことをうれしく思っています。

オックスフォード大学では、パッテン総長に昼食会を催していただいたのに引き続き、皇后に名誉博士号を授与していただいたことを心から有り難く思いました。

また、私たちが学んだマートン・コレッジ、ベイリオル・コレッジなどをそれぞれの学長に御案内いただき、思い出に満ちた場所を再訪することができるとともに、懐かしい方々にお会いできたことは、大変うれしいことでした。

ロンドンと同じように、天気にも恵まれ、心温まる充実した滞在になりました。

今回、初めて国賓として英国を訪れ、大変思い出深い訪問となりました。

この訪問を準備していただいた日本と英国双方の多くの関係者の皆さんの尽力に深く感謝いたします。

この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本と英国の友好親善と協力関係が一層進展することとなればうれしく思います。

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