三重県菰野町の山中にあるヤードで盗品のランドクルーザーを保管などしたとして、愛知、三重、岐阜の3県警は27日、ヤード経営者の稲垣銀次郎容疑者(54)=同町=とインドネシア国籍の作業員6人を盗品等保管の疑いで逮捕、送検したと発表した。3県警は、稲垣容疑者らが複数の自動車盗グループから盗難車を受け入れ、ヤードで解体してから海外へ不正輸出していたとみて調べる。
愛知県警捜査3課によると、稲垣容疑者は昨年12月、名古屋市内で盗まれたランドクルーザープラド1台(時価約550万円相当)を、盗品と知りながら経営するヤードで保管した疑いがある。
県警は今月25日にヤードを捜索し、山梨県などで盗まれたランドクルーザーやそのナンバープレートをヤードで保管したとして、作業員6人を現行犯逮捕した。一部は、住み込みで働いていたとみられる。
愛知県では今年1~5月、自動車盗の被害が全国最多で被害は368件(昨年同期比113件増)に上った。盗難被害にあった316台のうち、ランドクルーザーが115台と約37%を占めており、県警は国外でも高い需要があるため狙われたとみている。
相次ぐ自動車盗を受け、愛知、三重の両県はヤードの不正行為を規制する「ヤード条例」を制定。岐阜県ではヤードを含む使用済み金属類の取引業者を取り締まる条例もある。稲垣容疑者のヤードは、三重県条例が定める県への届け出はされていなかったという。(国方萌乃、川西めいこ)
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