世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による被害の解決を求めている全国統一教会被害対策弁護団は26日、親が信者の2世の男女2人が信仰を強要され、精神的苦痛を受けたなどとして教団に慰謝料1人あたり1千万円を求め、集団交渉に加わったと発表した。

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 幼少時から教団の教義を親に強制されて教育や就職、交友などの自由を侵害され、親の献金により家庭が貧困に陥って経済的にも精神的にも苦しめられたと主張している。弁護団によると、多額の献金や物品購入などによる財産的被害ではなく、2世が信仰の強制などによる精神的な損害を訴えて集団交渉に加わるのは初めてという。

 弁護団とともに記者会見した2世の20代男性によると、幼少時から礼拝や集会に参加させられ、両親からは「信じなければ地獄に落ちる」などと言われた。生活は困窮し、風呂は週に1、2回。職業訓練学校に入ることも断念した。うつ病と診断されて転職や休職、失職を繰り返し、今は障害年金を受給し生活しているという。男性は「苦しんでいる方はたくさんいると思う。2世の問題が議論され、声をあげられる世の中になってほしい」と話した。

 弁護団はこの日、2世の2人を含めて新たに20人の財産的損害や慰謝料計約6億9千万円の支払いを求め、集団交渉を教団に申し入れた。昨年2月以来、集団交渉に加わったのは計179人、請求総額は約53億円となった。(島崎周、編集委員・北野隆一)

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