特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、警視庁池上署は26日、東京都大田区の大田南馬込一郵便局に感謝状を贈った。局員が被害者を説得して警察に通報し、特殊詐欺グループの受け子の逮捕につながった。

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 署と郵便局によると、5月31日昼、70代の女性が「ATMで300万円を引き出したい」と郵便局を訪れた。窓口の女性局員が「金額が大きいと窓口でしか引き出せません」と言うと、「息子に怪しまれるから窓口では下ろすなと言われた」と答えた。

 女性局員からそのやり取りを聞いた次長は、詐欺だと確信した。警察に通報し、女性には「息子さんに電話して確認した方がいい」と促した。女性は詐欺だと気づき、捜査員の指示に従って電話の相手に「現金が用意できた」と伝えた。指定した駐車場に男が来たため、捜査員が詐欺容疑で現行犯逮捕した。

 次長の女性は「お客様の大事な資金を守ることができて良かった。日頃から詐欺の手口を勉強していたことが役に立った」と話した。

 同署管内の特殊詐欺被害は今年6月21日までに30件あり、被害総額は約6200万円だった。昨年同時期より13件、約4200万円多いという。(長妻昭明)

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