国内唯一の公共劇場専属舞踊団「Noism(ノイズム)」(新潟市)が21日、20周年記念公演で披露する新作「Amomentof(アモメントフ)」の公開リハーサルを開いた。本番と同じ衣装で前半の約20分が上演され、演出・振り付けを手がける芸術総監督の金森穣さん(49)を中心に細かい表現を確認した。

 リハーサルは、団体が拠点を置く新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ、同市中央区)で行われた。初演となる28~30日の新潟公演の会場でもある。

 作品には全メンバー25人が出演するが、金森さん以外では唯一の設立時からのメンバーで、公私にわたるパートナーの井関佐和子さん(45)を軸に展開する。マーラーの交響曲第3番第6楽章「愛が私に語ること」が流れる中、井関さんは舞台袖から次々と現れるメンバーと息を合わせて踊っていった。踊り終わったメンバーは舞台袖に消えるが、井関さんは出続ける。前半の途中で衣装は汗でぬれていた。

 タイトルは「一瞬の」という意味が込められている。金森さんにとってこの20年が一瞬だったという実感や、一瞬の動きのために稽古を重ねる「一瞬への献身」という舞踊観に由来しているという。

 リハーサル後、取材に応じた金森さんは「音楽がもつ情感や構造を、井関佐和子というNoismに20年献身してきた舞踊家を通して可視化するのがテーマ。今後のNoismを語るうえでも、この作品は見てほしい」と語り、井関さんは「劇場で音楽と舞踊の波に身を委ねてほしい。新しい感情が芽生えるはずです」と呼びかけた。

 記念公演では、同じく新作の「セレネ、あるいは黄昏(たそがれ)の歌」も上演される。入場料は全席指定で5500円(25歳以下は3千円、高校生以下は1千円、いずれも税込み)。問い合わせは、専用ダイヤル(025・224・5521、休館日を除く午前11時~午後7時)へ。

 記念公演は、7月26~28日にはさいたま市中央区の「彩の国さいたま芸術劇場」でも行われる。全席指定で6千円(25歳以下は3千円、いずれも税込み)。問い合わせは同劇場(0570・064・939、休館日を除く午前10時~午後6時)へ。(茂木克信)

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