大阪高検は25日、大阪地検トップの検事正を務めた弁護士の北川健太郎容疑者(64)=京都府=を準強制性交の疑いで逮捕し、発表した。

 北川容疑者は2018年2月~19年11月に検事正を務めていた。関係者によると、逮捕容疑はこの時期のもので、被害者は当時の部下で酒に酔っていたという。現場は検事正の官舎だった。

 高検は記者会見を開かず、具体的にいつ、どこで行為に及んだのかという容疑の内容や、認否については明らかにしなかった。高検の小橋常和・次席検事は「被害者のプライバシーを保護するためだ」としている。

 準強制性交は、酒や薬などの影響で抵抗できない相手に性的暴行を加える罪。昨年6月の刑法改正で、暴行や脅迫を用いる強制性交罪とともに、意に反する性交などを罰する「不同意性交罪」に統合された。

 北川容疑者は1985年に任官し、和歌山や兵庫、大阪など関西を中心に勤務した。大阪高検の次席検事や最高検の監察指導部長、刑事部長を歴任し、2018年2月から大阪地検検事正を務めた。定年を前にした19年11月に辞職し、大阪弁護士会に弁護士登録していた。

 高検の小橋次席検事は「検察の要職にあった者が逮捕されたことは誠に遺憾である。適正に捜査した上で刑事処分を検討したい」とコメントした。

 大阪地検は主に大阪府警の事件を公判まで手がけ、独自に容疑者を逮捕する特捜部も抱える。高検は大阪を含む近畿2府4県の地検と区検を束ねる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。