わなにかけて捕まえた猫を川に沈めて殺したなどとして、福岡県警は24日、同県行橋市の農業の男性(66)を動物愛護法違反などの疑いで書類送検し、発表した。男性は「糞尿(ふんにょう)による悪臭に困っており、駆除するために殺した」と容疑を認めているという。
発表によると、男性は今年3月4~19日に行橋市真菰の祓川で、はこわな(高さ32センチ、横26センチ、奥行き81センチ)に入った状態の猫計6匹を水中に沈めて殺した疑いがある。殺した猫の死骸を川に投げ捨てたほか、2月末にはアライグマの死骸を川に投げ捨てたとして、廃棄物処理法違反の疑いももたれている。5月21日に廃棄物処理法違反の疑いで逮捕、同24日に釈放され、今月24日に動物愛護法違反などの疑いで追送検された。
住民から「川に複数の小動物の死骸がある」という通報を受けた県京築保健福祉環境事務所から2月に連絡があり、県警生活経済課などが捜査を始めた。通報があった川付近で、36匹の小動物(猫31匹、アライグマ3匹、イタチ2匹)の死骸を見つけた。
県警は4月、男性が所有する倉庫やビニールハウスを捜索し、複数のはこわなを確認した。男性は調べに対し、2022年3月ごろ~今年3月下旬に「60匹の猫などを殺した」と供述。「猫などの死骸を川に捨てることは自然にかえすことになるので悪いことではない。野良猫にエサを与え、放し飼いにする人がいるが、責任ある飼い方をしてほしかった」と主張したという。
県警によると、近年の動物愛護への関心の高まりを受けて動物虐待の通報や摘発は増加傾向にある。福岡県内では、動物愛護法違反の摘発は2019年に1件だったが、20、21年は各4件、22、23年は各7件に上るという。(小川裕介)
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