五輪・パラリンピック選手支援のため芋焼酎の生産を企画した新潟県三条市のNPO法人が、今夏のパリ大会へ再挑戦を掲げる。市内の地名に由来する「五輪峠」。2020年開催予定だった東京大会に向け販売促進に注力したものの、新型コロナウイルス禍が立ちはだかり、当初の目的達成には至っていない。担当者は「次こそは」と力を込める。(共同通信=梨子田太郎)
スポーツクラブの合宿誘致や棚田の再開発計画などを通じ、三条市下田地区の活性化を目指すNPO法人「ソーシャルファームさんじょう」(SFS)が企画した。ほとんどの販売所がある下田地区を購入目的で訪れる人を増やす狙いがある。
地元農家が育てたサツマイモを使用し、新潟県新発田市の酒造会社に製造を依頼。SFSはサツマイモの苗の仕入れや農家への配布、収穫後の運搬などを担う。
2017年以降、年2千トンのサツマイモから750ミリリットル換算の瓶2千本分を製造する。とはいえ「まだ採算が取れず、スポーツ振興の寄付に回せていない」(SFSの斎藤柊斗さん)のが現状だ。
実際、コロナ感染拡大に伴い、東京大会は開催を1年延期。飲み会の自粛などで需要が鈍り、多くの在庫を抱えた。感染症法上の位置付けが5類へ移行した後も、猛暑や水不足で収穫量、製造量がともに例年の半分程度に落ち込んだ。
課題山積の中、斎藤さんは「逆に五輪峠の希少価値は上がった。パリ大会観戦のお供にしてほしい」とアピールする。
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