長野県教育委員会は21日、県立高校の2022年度当時の全校生徒(369人)の名簿が、第三者に漏洩(ろうえい)したことを明らかにした。個人情報が保存されたUSBを「拾った」とする匿名の封書が県教委に届き、教職員がUSBを紛失していたことが判明。封書の差出人の連絡先は分からず、回収のめどは立っていないという。

 県教委によると、漏洩したとみられる名簿に含まれる個人情報は、生徒の氏名▽生年月日▽保護者名▽住所▽性別▽学科▽出身中学の7項目。これとは別に、22年度当時の2年生(130人)について、1年次の英語テストの結果が漏洩したという。いずれのデータにも、秘密保持のためのパスワードはかかっていなかったとみられる。

 封書には県内の消印が押され、18日に県教委に届いた。取得したUSBに保存されていたとするファイル名や名簿の一部のスクリーンショットが文書に貼り付けられ、個人情報の漏洩を指摘する内容だったという。金銭の要求は寄せられていないとしている。ファイル名から、22年6月までに作成されたデータとみられるという。県教委は21日、高校の所在地を管轄する警察署に相談した。

 県教委は、教職員がUSBを紛失した時期や場所、当時の校長の許可を得て校外に持ち出したのかなどは「不明」と説明している。県教委は、USBに関する情報提供を呼びかけている。連絡先は高校教育課(026・235・7430、平日午前8時半~午後5時15分)へ。(高木文子)

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