長年住み込みで働いていた北海道恵庭市の牧場で虐待されたとして、知的障害のある60代男性3人が、牧場の経営者家族と市に計約9400万円の損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が21日、札幌地裁(布施雄士裁判長)であった。

 訴状によると、原告の3人はいずれも60代男性で、同市の「遠藤牧場」に住み込みで働いていた。劣悪な生活環境に置かれた上、賃金が支払われず、障害年金も搾取されていたという。

 この日、被告の牧場側が牧場での労働状況について説明した。3人は60~70頭いた牛の搾乳や牛舎清掃を担当。毎日1頭あたり30キロが必要なエサやりに、3人は参加していなかったとした。

 一方、原告側は、市が遅くとも2017年までに虐待の疑いを認識していたのに、必要な調査や道への通知を行わなかったなどとして、市の対応の違法性を指摘した。(上保晃平)

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