大津市で5月、保護司の新庄博志さん(60)が殺害された事件で、大津地検は21日、殺人容疑で逮捕された無職の飯塚紘平容疑者(35)について、事件当時の精神状態などを調べるための鑑定留置を始めた。期間は10月21日までの約4カ月間。地検が明らかにした。

 鑑定留置は、精神科医らが容疑者の成育歴や精神疾患の有無などを調べる手続き。その結果を受け、地検は、刑事責任能力の有無や程度を判断。その後、起訴するかどうか決定するとみられる。

 飯塚容疑者は5月24日午後7時ごろから26日午後4時ごろにかけ、大津市の新庄さん宅で、新庄さんを刃物で複数回突き刺して殺害した疑いがあるとして滋賀県警に逮捕された。今月8日の逮捕時は「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認していた。

 新庄さんは保護司として、別の強盗事件で保護観察中となった飯塚容疑者の立ち直り支援を担当していた。滋賀県警と大津保護観察所によると、2人の間にトラブルは確認されていないという。

 新庄さんは、5月24日夜に死亡したとみられる。この日午後7時に飯塚容疑者との面接が予定されており、同じ時間帯に、新庄さん宅を訪ねてきた容疑者の姿がカメラ付きインターホンで確認されたという。

 新庄さんの遺体は2日後の26日に見つかった。飯塚容疑者は28日深夜、大津市内の路上でリュックサックの中にナイフを入れていたとして銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された。(鈴木洋和)

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