住宅の窓やベランダから9歳以下の子どもが転落し死亡する事故がこの30年あまりで170件と年平均5件以上のペースで起きており、1~4歳で多発していると、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が20日、発表した。大人が在宅していても事故が発生しているという。

 1993年から2023年までの大手新聞記事から事故情報を抜粋し、分析した。転落場所はベランダが最も多く103件。次いで窓が47件。

 年齢別では3歳が50件で最多。次いで4歳が33件。5歳以上になると急激に減少していた。

 また、6歳未満の未就学児の事例のうち、ベランダと窓からの転落事故について、大人の在宅率を分析した。窓の場合が81%、ベランダが34%の事例で、大人が家にいた時に発生していた。

 転落した際に足場になったと推定されるものは、ベランダでは椅子とエアコンの室外機、窓ではベッドと椅子、ソファが多かった。

 消費者事故調は昨年6月、子どもの転落事故について実態や防止策について調査を開始。1年が経つことから調査の経過を報告した。中川丈久委員長は「ベランダや窓は極めて危険な場所だと認識してほしい。補助錠など現在ある転落防止用具でベストなものはないが、それでも使うことは助けになる」と話した。(大村美香)

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