冤罪(えんざい)被害者の早期救済のため刑事訴訟法の再審規定(再審法)改正を目指す超党派の国会議員連盟が17日、証拠開示の不十分さなど現行規定の問題点を明示した上で「主要な手続きの根拠規定の明文化」を求める要望書を小泉龍司法相に提出した。「議員立法という選択肢も視野」に入れているとし、法改正に向けた具体的検討を法務省に迫った。

柴山昌彦元文部科学相(左から2人目)から要望書を受け取る小泉龍司法相(同3人目)=17日、東京・霞が関で

 議連は「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」。3月の発足時134人だった入会者は311人に増えた。  会長を務める自民党の柴山昌彦元文部科学相は「大臣のリーダーシップで、最大の人権侵害である冤罪被害が一刻も早くなくなるよう法改正をお願いする」と要望。小泉法相は「冤罪を生み出さず、救える制度に重きを置きつつ、全体のバランスを見ながらしっかり検討を進めたい」と答えた。  要望書では、再審の現状は「審理手続きを具体的に定めた規定はないに等しい状態」で、過去には検察側の証拠開示が不十分だったり、裁判所の再審開始決定に検察が不服申し立て(抗告)したりして再審開始まで長期間かかるといった問題点を列挙。「再審は、最後の救済手段として役割を果たすため、確固たる手続きが整備されていなければならない」とした。  議連は、1966年の静岡一家殺害事件で袴田巌さん(88)の死刑確定から再審開始決定まで40年余りかかるなど、再審のあり方が問われる中で発足した。これまでに袴田さんの姉ひで子さん(91)にヒアリングなどしてきた。(加藤益丈) 

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