東京電力福島第1原発事故を巡り、国の賠償責任を否定した最高裁判決から2年を迎えた17日、元原告の被災者らが東京都千代田区の最高裁前を取り囲む「人間の鎖」で抗議の意志を示した。

最高裁前で「人間の鎖」をつくり、抗議の声を上げる参加者ら=17日、東京都千代田区で(木戸佑撮影)

 主催した「6.17最高裁共同行動実行委員会」によると、参加したのは元原告のほか、今も各地の訴訟を続ける原告や支援者ら900人超。厳しい暑さの中、最高裁前で手をつないで「原発事故は国の責任」「司法の劣化を許さない」「未来に誇れる判断を」と声を上げた。  福島地裁で訴訟を闘っている福島県郡山市の大滝史郎さん(73)は「国は責任を認められないから、反省がない。それが原発の再稼働推進につながっている」と語気を強めた。  同県浪江町の被災者らの訴訟を担当する白井剣弁護士は「最高裁は、国が対策を義務付けても津波を防げなかったとするが、電源を喪失させないようにするなど事故を防ぐ方法はあった。今後の裁判で勇気ある裁判官が、そういう点を見て判断してほしい」と訴えた。(荒井六貴) 

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