鉄道ファンらが見守る中、JR岡山駅を出発する特急「やくも」の車両「381系」の最後の定期運行列車(15日午前)=共同

JR岡山駅(岡山市)と出雲市駅(島根県出雲市)を結ぶ特急「やくも」の車両「381系」が15日、定期運行を終えた。約50年前の旧国鉄時代から定期運行を続けてきた現役最後の特急用車両で、鉄道ファンらがこれまでの活躍をねぎらった。

岡山駅では午前7時過ぎ、「出発進行」という声がホームに響き渡る中、車両が出発。ファンらは車両が見えなくなるまで「ありがとう」と手を振り続けた。神戸市の中学2年、三浦竹彦さん(13)は「昔からある381系が引退するのは悲しい気持ちでいっぱい」と話した。

島根県出雲市を走行する特急「やくも」の車両「381系」の最後の定期運行列車(15日午前)=共同

終点の出雲市駅でも大勢の人がカメラを構え、到着と同時に一斉に撮影。「長らくのご利用ありがとうございました」とアナウンスが流れ、別れを惜しんでいた。乗車した仙台市の団体職員の男性(28)は「車両の色の種類も豊富で大好きだった。感謝している」と笑顔だった。

JR西日本によると、381系は1973年に長野―名古屋間の特急「しなの」で導入。やくもでは82年にデビューした。カーブで速度を落とさず走れるように車体を傾ける「自然振り子式」を国内で初めて実用化し注目を集めた。

やくもは72年に運行を開始。今後は今年4月から順次導入している新型車両「273系」に全車両を置き換える。〔共同〕

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