福井県内では今年度に入って6月10日までのクマの出没件数が過去最多の231件に上っています。

こうした中、6月9日の午後4時半ごろ、越前市文室町の山本義實さんが(76)自宅の庭で洗濯物を取り込んでいたところ、5メートルほど離れた栗の木から体長80センチくらいのクマが落ちてきたということです。

クマは山本さんに気付いて茂みに移動したあと、およそ10分にわたって山本さんとにらみ合い、その後、一度姿を消したもののまたすぐに現れました。

山本さんは隣に住む息子に助けを求め、通報を受けた警察などが駆けつけて追い払うために音を鳴らすなどしたところ、クマは1時間ほどでその場を去ったということです。

山本さんの息子が自宅の2階から撮影した映像には、クマが近くの茂みの中で草などを食べている様子が写っています。

山本さんは「文室町に住んで36年になるが、まさか自分の家の近くで出るとは思わなかった。腰が抜けるほど驚いたし、怖かった。あの時以来、洗濯物を干すときはクマよけのために笛を吹いている」と話していました。

越前市では6月に入って11件のクマの目撃情報があり、半数以上の7件が文室町だということで、市ではこの地区を重点的にパトロールし、捕獲用のおりを設置するなどして市民に警戒を呼びかけています。

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