2024年版「ジェンダーギャップ報告書」(世界経済フォーラム)で146カ国のうち118位の日本。法曹界では今春、日本弁護士連合会に女性初の会長が誕生し、日本初の女性弁護士、三淵嘉子さんがモデルのNHKの朝ドラ「虎に翼」も話題だ。それでも、女性弁護士の割合は2割にとどまる。

 三淵さんら3人が女性で初めて弁護士となった1940年当時、弁護士に占める女性の割合は1%に満たなかったとみられる。日弁連に残る最も古いデータは50年、全弁護士5827人のうち女性は6人、0.1%だった。

 女性の数は少しずつ増えていき、54年に10人に。66年に100人、96年に1千人をそれぞれ超えたが、この時点でも全体に占める割合は6.9%。政府が「質・量ともに豊かな法曹の確保」を目指した司法制度改革で、裁判官や検察官も含む法曹人口は増えているが、今年6月1日時点の女性弁護士は9214人、割合は20.1%にとどまる。

 根深く残る女性に対する差別や、選択的夫婦別姓の導入が実現しないなど、性をめぐる多くの問題は解消されていない。日弁連はそのために「司法におけるジェンダー・バイアスの排除」が必要だとしており、女性弁護士の増加をその中心的な手段と位置づけている。今後の目標として、弁護士全体に占める割合を「30%」、役員の副会長(15人)と理事(75人)の割合も「30%以上」を掲げている。(北沢拓也)

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