ジャーナリスト・作家だった故・外岡秀俊さんのオーラル・ヒストリー「外岡秀俊という新聞記者がいた」が、田畑書店から出版された。40年超にわたる記者人生のほか、編集局トップとして朝日新聞の立て直しに取り組んだ経験が生々しく語られている。

 外岡さんはNHK番組改編問題を巡り社内の混乱が続いていた2006年に東京本社編集局長・ゼネラルエディターに就任した。朝日新聞を「ゴールキーパー」にたとえて「朝日が容認したり、守りを甘くしたりしたら、それは日本全体の議論が変わってしまうということ」と語った。「新聞社という組織には上下関係はあるけれども、記者としては対等である。上から命令があったときに、それに抗命する権利がある」とジャーナリズムのあり方にも言及している。

 聞き手は朝日新聞の後輩で法政大学非常勤講師の及川智洋さん。2017年にまとめた私家版に、東大時代に書いた未刊行の小説などを新たに収録して発刊した。税込み3300円。(日浦統)

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