三重県熊野市紀和町の丸山千枚田で8日夜、害虫駆除と豊作を願う伝統行事「虫おくり」があった。棚田の枚数と同じ1340本のキャンドルがともされ、美しい棚田の形が暗闇のなかに浮かび上がった。

 たいまつを手にした地元の小中学生や千枚田のオーナーらが、「虫おくり殿のお通りだい」とかけ声を上げ、太鼓やかねを鳴らして練り歩いた。

 農薬がなかった時代に火と音で害虫を追い払っていた風習で、1953年に一度途絶えたが、2004年の熊野古道の世界遺産登録を機に復活した。(米田怜央)

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