福島県の相馬地方広域消防本部でのパワハラ問題で、加害者側の職員が上司が使っていたパソコンからハラスメント情報を印刷し、他の職員に見せていたことが明らかになった。第三者委員会が6日発表した第二次答申(中間答申)の「追補」で明らかになった。同本部は今後、処分を検討する。

 追補によると、2022年7月、当時の次長が使っていたパソコンが更新され、古いパソコンは通信指令室で使われ続けた。古いパソコンには、次長だけが取り扱えるデータが完全に消去されず、ハラスメントに関する調査や人事評価の記録などが残ったままだった。

 昨年8月、通信指令室で職員がこのパソコンを使った際、ハラスメントの記録を見つけた。そこには、自分が加害者となった事案の情報も入っていた。

 職員はハラスメント事案の記録を印刷し、他の職員にも見せていた。個人名はアルファベットによる仮名で記されていたが、約150人の職場で、対象者を推測するなどしていたという。

 第三者委員会は「秘密の保持が徹底されるべきハラスメントに関する記録のデータについて、権限を付与されていないにもかかわらず収集したものであり、他の職員に閲覧させている点において悪質」と指摘している。(大久保泰)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。